具体的なひび割れ・水漏れ
建物などの構造物では、配管の不具合、屋根や壁の雨漏り、目地やひび割れの密閉不良など、様々な要因で水漏れが発生する可能性があります。水漏れには、原因や種類を特定し、適切な処置を施して修理し、さらなる水漏れを防ぐことが重要です。水漏れを無視すると、長期的には深刻な損害と高額な修理費が発生する可能性があります。水漏れの種類とその解決策を理解することで、問題を特定し、修理や水漏れの防止に必要な措置をとることができます。
1. 土壌改良剤注入
- 壁厚に応じて、長いドリルビットを使用し、軟弱層に達するまでRC壁を掘り進めます。面積に応じて長い注入パッカーを30㎝の間隔で設置します。その後、高圧注入機で注入パッカーに発泡剤を注入します。
- コンクリート壁と軟弱層との隙間が大きい場合は、まず疎水性発泡剤または親水性発泡剤を注入し、次に弾性発泡剤または硬質発泡剤を注入します。注入後もコンクリート表面に水分や漏水が発生する場合は、隙間を完全に埋めるために発泡剤を追加注入する必要がある場合があります。
2. 構造上のひび割れ、漏水
- コンクリート構造物のひび割れの位置と範囲を特定します。ドリルを使用し、ひび割れの周囲に斜めに各穴の間隔が２０～３０㎝になるように穴を開けます。穴の深さは、構造物の厚さの2/3以上とします。但し、ひび割れの形状が不規則な場合は、ひび割れの左右の間に穴を開けると、より効果的にカバーできる場合があります。
- ひび割れから水漏れの兆候がないかを確認します。ひび割れから水が漏れている場合は高圧注入機で一液性の疎水性または親水性の発泡剤を穴に注入してください。ひび割れが乾燥している場合は、硬質発泡剤または弾性発泡剤を使用することができます。
- 発泡剤が固まるのを待ち、注入パッカーを取り外します。
3. 建築目地・伸縮継手
- コンクリート構造物の接合部の位置と範囲を確認します。ドリルを使用し、接合部の周囲に斜めに各穴の間隔が２０～３０㎝になるように穴を開けます。穴の深さは、構造物の厚さの2/3以上とし、注入パッカーを穴に挿入します。
- 高圧注入機を用いて、一液性の疎水性または親水性の発泡剤をドリル穴から発泡剤が染み出すまで注入します。
- 発泡剤が固まるのを待ち、注入パッカーを取り外します。
4. 噴出漏れ
- ドリルでコンクリート構造物に、放水口に向けて斜めに穴を開け、開けた穴に注入パッカーを挿入します。
- 水が噴出している箇所の周囲の緩い壁材を取り除き、水量に応じて水が噴出している箇所に塩ビ管を設置します。塩ビ管の先には、水の流れをコントロールするためのバルブを設置します。止水パウダーを水に混ぜて塩ビ管の端を塞ぐように使用します。
- 高圧注入機で、超速発泡剤（OH-9T）を塩ビ管内に注入します。バルブから発泡剤が流れ出ていることが確認出来たら、すぐにバルブを閉め、発泡剤を大量に注入してください。
- 水漏れがなくなったら塩ビ管を取り外し、必要に応じて、親水性、弾性、硬質の発泡剤を注入し、完全密封します。
5. トンネルリングの漏れ
- リングセグメントのひび割れ：ひび割れの上に直接、約25㎝の深さまで穴を開けます。注入パッカーを穴に挿入し、高圧グラウト機で親水性、弾性、硬質の発泡剤を注入します。
- セグメントジョイントのひび割れ：リングセグメントの間に直接市水版を貫通する穴を開けます。注入パッカーを穴に挿入し、高圧注入機で親水性、弾性、硬質の発泡剤を注入します。
- グラウトホールの漏れ：グラウトホールのキャップを外し、5.1mmのドリルビットで穴を開けます。穴にグリースニップルを差し込み、高圧グラウト機で親水性、弾性、硬質の発泡剤を注入します。
6. 窓枠からの漏れ
- アルミ窓枠の雨漏り箇所の特定。ドリルを使用し、アルミ窓枠とコンクリート構造物（RC）の接合部の下部に、斜めに穴を開けます。穴は約20～30㎝間隔にします。
- 注入パッカーを設置し、高圧注入機で親水性、弾性、硬質の発泡剤をドリル穴から染み出すまで注入します。
- 発泡剤が固まるのを待ち、注入パッカーを取り外します。
7. ハニカムからの漏れ
- コンクリート構造物のハニカムの位置と範囲を特定し、構造物の周囲に斜めに、20～30㎝の間隔で穴を開けます。穴は構造物の厚さの2/3以上の深さまで開ける必要があります。終わったら注入パッカーを挿入してください。
- 注入パッカーを設置した後、高圧注入機で親水性発泡剤をドリル穴から染み出るまで注入します。
- 発泡剤が固まるのを待ち、注入パッカーを取り外します。
